ボートレースのセット交換とは何か？メリットや選手の反応、今後の制限などまとめ！

セット交換とは、以下の部品を丸ごと交換することを指します。

• ピストン（2個）
• リング（4本）
• シリンダーケース

ボートレースにおけるセット交換は以前から認められていたものですが、2024年尼崎SGグランドチャンピオンでは、節間24人がセット交換を行い注目されました。

さらに、SGグランドチャンピオンの優勝戦では、6人中5人がセット交換をしていたのです。

ボートレース界ではマフラー洗浄も流行ったことがあり、効果があったためか現在は禁止されています。

セット交換もマフラー洗浄のように、効果があるとわかれば禁止されるのでしょうか。

また、2024年7月SGオーシャンカップでは、セット交換が禁止されています。

ボートレーサーがセット交換を行う理由は機動力の底上げ

ボートレーサーがセット交換を行う理由は機動力の底上げです。

セット交換を行う場合、部品を分解して再度取り付ける必要があり、高度な技術が求められます。

一方で、セット交換は状態のよい部品と交換することができるため、モーターの性能を引き出しやすくなり、選手の機動力が大幅に向上する可能性があります。

モーターの動きに不満を感じる選手や、整備が得意なベテランレーサーはセット交換を行うことが多いでしょう。

対して、優良モーターを引き当てた場合、不自由なくレースができるため、部品の交換は必要ありません。

セット交換を行った選手は、モーターに対して何らかの不調を感じていることがわかります。

ここからは、一長一短の行為であるセット交換のメリット・デメリットを解説します。

メリットはパフォーマンスの向上

セット交換のメリットは、以下の通りです。

• パフォーマンス向上の可能性がある
• 不具合をリセットできる
• 心機一転でチャンスを掴める場合がある

以上のように、セット交換により優良のモーターを引いた場合、レースの勝率が上がります。

選手にとっては、過去の調整やレースで蓄積されたエンジンに関する情報が無効になるリスクがありますが、コンディションの悪いエンジンを一新することで、パフォーマンス向上が見込める場合があるでしょう。

デメリットは時間や手間だけでなくボートレースファンにも影響を与える

セット交換のデメリットは以下の通りです。

• シリンダーケースまで交換するため時間や手間がかかる
• セット交換をしても機動力が上がるか分からない
• 元に戻すことも時間や手間がかかる

セット交換は交換すれば絶対うまくいくものではありません。

時間がかかるわりにそのリターンが確実ではない、ある種賭けのようなものでもあります。

また、セット交換はボートファンや競走会そのものにも影響を及ぼします。

選手がセット交換をしたことで、舟足が変化し、予想がしにくいため舟券予想がしづらい困った状況となります。

2024年6月25日から行われた尼崎SGグランドチャンピオンでは、節間24人もの選手がセット交換を行いました。

ボートレースのエンジンは1年に1回交換しますが、整備用に前回使用のエンジンを何基か取り除きます。

その残ったエンジンから部品をとってセット交換を行った選手がそれぞれ機動力がアップし、注目されたのです。

毒島誠は、2連対率63%の優良エンジンでしたが、初日にエンジン交換を行い、機動力がアップしました。

24人もセット交換を行ったため、最終的には44基が交換されて部品がなくなってしまいセット交換が打ち止めとなってしまいました。

しかし一転して7月の大村オーシャンカップで禁止に！

2024年6月のSGグラチャンで24人がセット交換を行ったため、SGオーシャンカップでの動向が注目されましたが、新エンジンということもあり、変形以外ではセット交換が禁止となりました。

セット交換は以前から行われていたもので、ルールには問題がありませんが、大村の新エンジンとなり、セット交換の効果が期待できることから、禁止の決断となったのです。

また、一部の選手の間では、前エース機は誰に与えられているのかについて注目されていました。

今回は新エンジンになったことから、セット交換の効果が見込まれたため、それに近い部品と交換をすれば、上昇度が高くなるはずです。

ボートレース大村では、SGオーシャンカップだけでなく今後もセット交換を禁止する方針とのことでした。

セット交換すると予想にも影響を与える

セット交換を行うとエンジンのデータもリセットされてしまうため、エンジン気配のデータもわからなくなってしまいます。

そのため、舟券予想が難しくなってしまいます。

これまでのエンジン気配を元にした予想が通用しなくなり、ファンは選手の整備力や当日のレースのパフォーマンスに依存した予想をしなければならないため、予想の精度が低下してしまうのです。

SGグラチャンのように、24人もセット交換をしてしまうと、エンジン相場がわからなくなってしまい、予想が難しくなるのです。

今後はセット交換が全面的に禁止になるのか？

2024年6月のSGグラチャンでは選手24人がセット交換を行い、7月のSGオーシャンカップではセット交換が禁止になりました。

SGオーシャンカップ以降もボートレース大村ではセット交換が禁止となりますが、ほかの会場でも禁止されるのでしょうか。

今後の動向については、各会場ごとに方針が異なっていく可能性がありますが、ボートレース大村と同じようにほかの会場でも禁止措置が広がることは考えられます。

一方で、選手によっては、エンジン調整の一環として、セット交換を求める声もあり、選手の技術力を反映させるために部分的な緩和措置が取られる可能性もあるかもしれません。

今後、ボートレース業界全体での動向に注目が集まりますね。

セット交換に対するボートレーサーの声を紹介します。

• 松井繁
• 西山貴浩

以上の選手はセット交換に対して賛否両論のコメントを残しています。

松井繁「あんな恥ずかしいことできへん。気持ちが分からん。」

松井繁はセット交換について以下のようにコメントしています。

ファンありきのボートレースは、選手のセット交換によってファンに混乱を招いています。

ファンの気持ちを苦言として代弁してくれましたね！

西山貴浩「セット交換してる人にかなりやられる」

西山貴浩はセット交換について以下のようにコメントしています。

セット交換がどれほど影響を与えるかを感じる、選手視点での言葉ですね。

西山貴浩は、SGグランドチャンピオンでセット交換を実施し、4日5Rでは峰竜太を破って勝利。

流行りのセット交換に対しては、以下のようにコメントしていました。

西山貴浩は、優出はしなかったものの、セット交換によって調子のよさをアピールしていました。

ボートレーサーのセット交換に対するボートレースファンの声を紹介します。

話題のセット交換について紹介しました。

セット交換はボートレーサーに認められている行為ですが、2024年6月に尼崎で開催されたSGグラチャンでは24人の選手がセット交換を行い話題になりました。

SGグラチャンでセット交換をした選手の調子がよくなったことを受けて、2024年7月の大村で開催されたSGオーシャンカップも注目されましたが、セット交換が禁止されたのです。

また、ボートレース大村は今後もセット交換を禁止していくとのことでした。

松井繁や西山貴浩などスキルの高いA1級のボートレーサーは、セット交換に賛否両論のコメントを残しています。

セット交換についてはボートファンや競走会にも影響を及ぼす行為なので、今後の動向に注目です。