競艇の「賞典除外」とは?言葉の意味や原因、賞典除外によるデメリットなど徹底解説
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みなさんは競艇における「賞典除外」を知っていますか?
賞典除外とは、簡単にいうと悪質な行為に対するペナルティであり、準優勝戦や優勝戦へ出場できなくなるというもの。
- 賞典除外はなぜ起きるのか?
- これが起こると選手はどれくらい困るのか?
- 予想に役立たせるためにはどうすれば良いのか?
などなど、賞典除外に関するさまざまな情報について解説していきます!
賞典除外って聞いたことはあるんだけど、うまく説明できないんだよね〜。という方はぜひこの記事を読んで「賞典除外マスター」になって帰ってくださいね!
それじゃあ、いってみよ〜♪
競艇の賞典除外とは?
競艇における賞典除外は「準優勝戦や優勝戦に出場できなくなるペナルティ」のことです。
そもそも、賞典が「準優勝戦・優勝戦」を指しているんですね。
妨害失格やスタート事故などで運営・他の選手に迷惑をかけた選手に対しての罰則の一種といえます。
即日帰郷や即刻帰郷との違いは?
賞典除外と即日帰郷・即刻帰郷はどちらも似たような条件下で発生するペナルティのため、混同される方が多いでしょう。
簡単にいえば、賞典除外が軽めの罰則であり、即日帰郷が重めの罰則です。
後ほど詳しく解説しますが、それぞれが発生する条件は以下のとおり。
※同節内で何度行うと罰則となるかが記載されています。
対象となる行為 | 賞典除外 | 即日帰郷 |
---|---|---|
前検日の不合格・遅刻 | - | 1度目 |
スタート事故 | 1度目 | 2度目 |
妨害失格 | 1度目 | 2度目 |
その他失格 | - | 2度目 |
不良航法 | 2度目 | 3度目 |
待機行動違反 | 2度目 | 3度目 |
こうしてみると、賞典除外は1度目や2度目の段階で行われる注意的な罰則ですが、2度目3度目の悪質行為を行うと即日帰郷という重いペナルティを受けるわけですね!
賞典除外となる原因
賞典除外のペナルティを与えられる原因は主に5つあります。
- 1度のスタート事故
- 1度の妨害失格
- 2度の不良航法
- 2度の待機行動違反
- 【番外編】選手からの出走希望の調整
これらをひとつずつ詳しく解説していきますね!
1度のスタート事故
1つめ。
1度でもスタート事故を起こしてしまうと賞典除外となります。
スタート事故とは、フライング(F)と出遅れ(L)のことですね。
競艇では、所定の時間から1秒以内にスタートを切る必要がありますが、それよりも0.1秒でも早くスタートするとフライング。逆に遅くとも出遅れという事故扱いになります。
一度でもスタート事故を起こすだけで、もう準優勝・優勝戦に出られないというのだから非常にシビアな戦いであることがわかりますね!
フライングの罰って重いよね〜…。
ちなみに、スタート事故は1度で賞典除外となるほか、フライング休みが追加されたり、2度目には即日帰郷となります。
1度の妨害失格
2つめ。
1度でも妨害失格をしてしまうと賞典除外となります。
妨害失格というのは、故意・過失にかかわらず他艇を転覆・落水させてしまうことです。
例えば、以下のような例がよく見られるケースでしょう。
- 自分が転覆したせいで、後続艇も巻き込んで転覆・落水させてしまう
- ターンを曲がった時にダンプして転覆・落水させてしまう
※悪質でなければダンプ自体は違反ではない
妨害失格は、他艇を危険に陥れる悪質行為とされています。
また、スタート事故と異なり舟券代が返還されないため、我々予想する側からしてもあまり好ましい出来事ではありませんね!
ちなみに、妨害失格は1度で賞典除外となり、2度目で即日帰郷となります。
2度の不良航法
3つめ。
2度の不良航法を行うと賞典除外となります。
不良航法は主に「追い抜き違反」「斜行違反」の2つがあります。
「追い抜き違反」は、後ろのボートが先行ボートを追い抜くときは基本的に外側からにするというルールに違反することです。(安全な距離があれば例外もあり)
「斜行違反」は、ボートが進路変更したときに、それを邪魔してはいけないというルールに違反することです。
これらのルールを破ると、他艇を危険にさらすこととなり、不良航法とみなされます。
妨害失格と違いがよくわかりにくいんだよねぇ〜
不良航法と妨害失格は非常に似ていますが、追い抜き違反や斜行違反となっただけであれば不良航法となります。
その不良航法の影響で相手を転覆・落水させてしまった場合は妨害失格とみなされます。
もちろん例外はありますが、「不良航法+落水(転覆)させる」で妨害失格と覚えておくと良いでしょう!
ちなみに、不良航法は2度目で賞典除外となり、3度目で即日帰郷となります。
2度の待機行動違反
4つめ。
2度の待機行動違反を行うと賞典除外となります
待機行動違反を簡単に説明すると、「ピット離れからスタートまでの待機時間に他の艇に迷惑をかけてはいけませんよ」ということです。
以下のような項目があります。
- 【適正な間隔】
インに進入する艇が2マークとの間を開けすぎないこと - 【追突等】
追突や失速して他艇に不利益を生じさせること - 【転舵】
進路を変えて他艇の邪魔をすること - 【右転舵】
低速航走中に右転舵すること - 【ターンマークへの接触】
深インにならないようにターンマークに接触すること - 【モーター停止】
深インにならないように故意にモーターを停止すること - 【割り込み】
他艇が見透かし線を通った後に内側に割り込むこと - 【逆航走】
ボートをスタート方向に向けた後に女装距離のためにスタートラインと逆方向へ航走すること - 引用:競艇の「即日帰郷」とは?即刻帰郷と途中帰郷との違いや選手へのデメリットなど完全解説
これは、妨害失格やスタート事故ほど悪質な行為ではありませんが、他の艇との優位差に影響を与えてしまうため、2度目で賞典除外のペナルティが与えられます。
ちなみに2度目で賞典除外となり、3度目には即日帰郷となります。
【番外編】選手希望による出走数の調整
5つめ。
選手希望で出走調整を行うと賞典除外となります。
んっ?これってどういうこと??
そもそも競艇では、選手自身が出走するレースについて、1日に1走するのか2走するのか調整希望を出すことができます。
これは例えば、級別審査が近くなったときに、以下のような理由で調整希望を出すことが多いです。
- 「これ以上出走して勝率を落としたくない」という場合は1日1レースに
- 「事故率を下げるために出走回数を増やしたい」という場合は1日2レースに
- 「連勝して勝率を上げたい」という場合は1日2レースに
しかし、このように選手都合で出走数を変えると、得点率が平等に計算できなくなります。
そのため「選手都合による出走数のわがままは聞いてあげるけど、得点率が平等にならないから、準優勝戦・優勝戦はナシにするからね〜」という仕組みです。
これはあくまで一つの仕組みであり、罰則とは異なることに注意しておきましょう。
賞典除外による選手への影響
賞典除外が起きると準優勝戦・優勝戦へ出場することが叶わなくなりますが、それによる選手への影響はどのようなものがあるでしょうか。
賞金が減るため収入が減る
賞典除外になると準優勝戦や優勝戦に出場ができなくなりますね。
それはつまり、高額の賞金を得られることが少なくなり、競艇選手としての収入が減ることを指します。
基本的には賞金がそのまま収入に直結するからのう
競艇では予選と優勝戦の賞金額が大きく異なります。
レースのグレードが大くなればなるほどその差も開いていくのです。
グレードごとの予選と優勝戦で1着を獲得したときの賞金目安を確認してみましょう。
グレード | 予選の1着 | 優勝戦の1着 |
---|---|---|
一般戦 | 8.6万円〜10.7万円 | 77万円〜99万円 |
G3 | 11.6万円 | 110万円 |
G2 | 12.5万円 | 460万円 |
G1 | 16.5万円 | 450万円〜1100万円 |
PG1 | 16.5万円 | 〜1600万円 |
SG | 21万円〜57万円 | 1,800万円〜1億1,000万円 |
※開催レースや売上によって賞金額が変わるため、上記は目安として捉えてください。
このように、1着を獲得するにしても予選か優勝戦かでは約10倍〜200倍ほどの違いが出ることもあります。
もちろんこれは1着だけでなく、2着3着以降も同様に優勝戦の方が大幅に増額します。
賞典除外は、この大きなチャンスを見逃してしまうことになるんじゃな〜
級別審査に関わる
級別審査についてはメリット・デメリットがあります。
級別が上がりやすくなる
先述した通り、出場調整をしたり賞典除外になることでレースの回数を減らせます。
さらに優勝戦では周りの選手の実力レベルも高いため、高順位を取ることが難しくなるでしょう。
そうなると、級別審査のボーダーラインギリギリの選手は出走回数を控えることで勝率の低下、ひいては降格を避けられます。
なんかズルい感じもするけど賢いね〜!
出走回数の低下で級別が下がる可能性がある
一方で、賞典除外を行うことによりそもそもレースの出走数が足りなくなり強制的に降格する可能性もあります。
級別はA1・A2・B1でそれぞれ必要な出走回数が以下のように決まっています。
- 【A1級】90回以上
- 【A2級】70回以上
- 【B1級】50回以上
- 【B2級】制限なし
そのため、自分が狙っている級別のラインを下回らないように注意する必要があります。
級別についてはこちらの記事を参考にすると良いぞい!
出走レースが制限される
賞典除外になると出走レースが制限される可能性があります。
レースによっては、獲得賞金額や級別によって出場できる/できないが決まっているケースがあります。
そのため、賞典除外になることで「獲得賞金が減った」「級別が落ちた」となると、出場できないレースが出てくるでしょう。
そうなるとさらに賞金が減ったりもしますから、負のスパイラルの始まりですね。
賞典除外、恐るべしだね…!!
賞典除外を予想に活かそう!
それではこの賞典除外についてですが、予想に活かすことはできるのでしょうか。
結論からいうと、賞典除外になった選手・なりそうな選手は同節間では攻めにくいレースを強いられるでしょう。
と、言いますと〜??
まず、「スタート事故と妨害失格」については1度で賞典除外になりますが、2度目では即日帰郷が待っているため非常に攻めにくくなります。
また、「不良航法と待機行動違反」については1度目はお咎めなしですが、2度目での賞典除外を避けるために攻めにくくなるでしょう。
このように、賞典除外を含めたペナルティに恐れることで、スタートや前付けで無理することはなくなると考えておくと良いです。
ただし、「激しい攻めができなくなる=弱くなる」ということではない点に注意じゃな!
準優勝戦・優勝戦に出られなくなったからといって、手抜きをすると勝率が落ちてしまい級別に関わりますから、トップスタートや激しい攻めはしにくいものの、うまく立ち回るはずです。
どうしても予想が当たらない!というときは?
ここまで賞典除外について説明しました!
賞典除外について知ることで、より深い視点で競艇を見られるようになり、勝負駆けや攻めあぐねる選手の心情を理解できるようになるでしょう。
しかし!正直にいうと、それだけで競艇で稼ぐことはかなり難しいです。
「予想を当てて楽しむ」「小銭を稼ぐ」程度であれば先ほどまでの説明で十分ですが、稼ぐためにはやはりプロの知識や経験が必要とされます。
まあ、ギャンブルをやる人は大体がトータルマイナスじゃからな…
「本気で競艇で稼ぎたい」
「人生を競艇にかけている!」
そんな方におすすめしたいのが競艇予想サイトです。
競艇予想サイトは、簡単にいえば競艇のプロが無料・有料で予想をしてくれるサービス!
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私はプロの無料予想を参考にしながら、自分なりに予想を組み立ててるよ♪
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賞典除外のチェック方法!
選手の賞典除外については、下記の3つの方法でチェックできます。
- BOATRACE 公式サイト
- 競艇場 公式サイト
- 競艇場に設置されている紙の出走表
BOATRACE公式サイトでチェック
BOATRACE公式サイトの場合、G1以上のレースのみ得点率ページをチェックできます。
賞典除外となった選手は、得点率ページの「備考」部分に記載されています。
競艇場公式サイトでチェック
競艇場ごとの公式サイトの場合、競艇場によって公開しているサイトとしていないサイトがあります。
しかし、BOATRACE公式サイトと異なり、G1よりもグレードの低いレースでも得点率ページが掲載されてこともあるため、BOATRACE公式で見つからなかった方はこちらからチェックしてみましょう!
賞典除外となった選手は、得点率ページの「得点率」部分に記載されています。
まとめ:賞典除外は即日帰郷よりも一段階軽めのペナルティ!
- めがね
- データだけを信じる競艇LOVER。自分の経験則でものを考えると考え方がブレてしまうため、これまでの競艇の歴史で証明されたデータを絶対視している。好きなことは出走表を眺め続けることと、競艇場の現地調査。
- 当記事はあくまでも執筆者個人の経験に基づく検証で、当サイトはその正確性・再現性を保証は致しません。競艇予想サイトをご利用の際はご自身の判断でお願いいたします。